医療施設内の各部署に所属する看護師のトップの役職である看護師長。職域全体を視野に入れ、部署全体をまとめあげ、スムーズに稼働させる職責を担う存在だ。部署内の看護師の技術面と精神面双方のサポートとケア、さらには異動の希望の相談に応じるなど、人事面に関する対応も看護師長の職務範疇だ。
もちろん看護師以外にも患者さんや病院関係者など、幅広い人たちとの意思疎通も欠かせず、その活躍の場は広範囲に及んでいるのである。さらには、医療現場の現状を逐一確認する仕事も重要だ。担当する患者の人数、病室の確保や退院日程の調整なども、看護師長の大切な仕事である。さらには自らの部署の看護師を代表して、医師や施設の経営者側に、現場の意見を伝える場面もめずらしくはないのである。
このように、部署内や外部との架け橋となり連携を取り、質の高い看護を提供することと、職員にとって働きやすい環境づくりを行うことも、リーダー格である看護師長としての、重要な仕事のひとつなのだ。そんな看護師長に求められるスキルを列記すると、リーダーシップ、幅広く深い専門知識と技術、冷静かつ的確な判断力、コミュニケーション力、相手を見極める眼力などが挙げられる。
部署内をまとめ、全体のスキルアップにつながる指導を行い、トラブル発生時などに的確に事態を収拾するうえで、いずれもが必要不可欠な能力だ。こうした数多くのスキルが求められ、部署のトップに立つ重責を担う役職だからこそ、一般の看護師とは比較にならないほどの、達成感や充実感を確かめられることが、やりがいに直結しているのである。